開業届はなぜ出す?出さない場合のデメリットは?
要点まとめ
- 開業届(個人事業の開業届出書)は税務署へ「事業を始めました」と知らせるための書類。出すだけで税金が増えるわけではありません。
- 出すメリット:青色申告(最大65万円の控除など)申請の下地、事業用口座や助成金・融資の申請、税務上の証拠書類になる。
- 出さないデメリット:青色申告の利用が難しい、事業の証明がしにくい、銀行や公的支援の手続きで不利になる、税務リスク(無申告扱い)につながる可能性。
- 手続きは簡単:国税庁の様式に記入して税務署へ持参・郵送・e-Taxで提出。青色申告のメリットを受けるには期限に注意(一般に事業開始から2ヶ月以内が目安)。
1) 開業届って何?出すと何が起きるの?
- 意味:個人事業を開始したことを税務署に知らせる届出書です。税務上の「登録」に近いイメージ。提出しても税金が自動的に増えることはありません。
- 主な効果:
- 青色申告承認申請(青色の確定申告)へのアクセスがしやすくなる。
- 事業開始日や事業内容の公的な証明になる(銀行や自治体手続きで使える)。
- 税務署の管理が始まるため、確定申告や届出の案内が届きやすくなる。
例:フリーランスのデザイナーが開業届を出すと、青色申告で65万円控除を受けられる可能性があり、帳簿付けのやる気にもつながります。
2) 出さない場合の具体的なデメリット
- 青色申告が使えない/申請が間に合わない
- 青色申告は65万円(複式簿記の要件あり)などの優遇があり、節税効果が大きいです。開業届や青色申告承認申請を期限内に出さないと原則使えません。
- 事業であることの証明が難しい
- 銀行で「事業用口座」を作れない、補助金や融資の書類審査で不利になることがあります。
- 帳簿や経費の整備が進みにくい
- 書類を整えずにいると、経費計上や税務調査で不利になる恐れがあります。
- 無申告・所得隠しのリスク
- 開業届を出していなくても所得がある場合は確定申告義務があります。申告を怠ると追徴課税や延滞税の対象になります。
3) 「出す場合」と「出さない場合」の比較(簡易表)
| 項目 | 開業届を出す | 出さない場合 |
|—|—:|—|
| 青色申告の利用 | 申請しやすい(期限内申請が必要) | 原則利用できない/申請が遅れると不可 |
| 銀行・融資 | 事業証明として有利 | 証明が難しく不利なことが多い |
| 税務の透明性 | 帳簿整備が促される | 記録が散らかりやすい |
| リスク(無申告など) | 申告義務はあるが案内が届く | 所得を申告しないとペナルティの可能性 |
(補足)青色申告の特典は大きいですが、要件(帳簿付け、申請期限の遵守など)を満たす必要があります。
4) よくある誤解と事実
- 誤解:開業届を出すと税務署に目をつけられて税金が増える。
- 事実:開業届そのものは情報の届け出で、税率が上がることはありません。むしろ申告が正しく行われれば節税になります。
- 誤解:出さなくてもバレないからOK。
- 事実:銀行取引や報酬の支払い記録などから事業実態は把握されうるため、無申告はリスクが高いです。
5) 開業届の出し方(簡単ステップ)
- 国税庁の様式を入手(税務署窓口、国税庁ホームページ)。
- 氏名、住所、事業の種類、開業日などを記入。開業日は実際に事業を始めた日を記入します。
- 税務署へ提出(窓口・郵送・e-Taxのいずれか)。
- 青色申告を希望する場合は「青色申告承認申請書」も併せて提出(一般に事業開始から2ヶ月以内が目安)。
所要時間は書類記入で15〜30分程度。窓口で質問もできます。
6) どんな人に「出す」ことをおすすめするか
- 事業を継続して行う予定がある人(副業を継続する見込みがある新卒・フリーランスなど)。
- 65万円の青色控除や損失の繰越(数年間)を活用したい人。
- 銀行口座や融資、補助金申請で事業証明が必要な人。
逆に、短期の単発収入(一回きりの副収入など)でそれ以降事業を続ける予定がない場合は、まず確定申告をきちんと行うことを優先しても問題ありません。
まとめ(次のステップ)
- まずは「いつから事業を始めたか」を明確にし、開業届を出すか検討してください。青色申告を使いたいなら、早めに青色申告承認申請書も提出する必要があります。
- 書類作成に不安があれば、税務署窓口で相談するか、税理士に簡単な相談をするのも有効です。
必要なら、開業届の記入例や青色申告の簡単チェックリストを作ってお渡しします。どちらが必要か教えてください。

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