最初に揃えたい帳簿・ルール・管理体制って何を準備すればいい?
要点まとめ
- 最低限揃える帳簿は「現金出納」「売上(請求)」「経費(支払)」の3つ。会計ソフトで自動化すると負担が大幅に減る。
- ルールは「起票頻度」「科目の定義」「領収書の保管方法」「承認フロー」をシンプルに決める。
- 管理体制は「責任者(誰が管理するか)」「締め日・チェック頻度」「バックアップと外部連携(税理士など)」を明確に。
- 初期コストの目安:会計ソフト月1,000〜5,000円。外注(税理士)を使うと月2〜5万円〜(業務量で変動)。
なぜ最初に整えるべきか(短く)
帳簿・ルール・管理体制が整うと、税金の申告が楽になるだけでなく、資金繰りや意思決定が速くなります。最初に「簡単で守りやすい」仕組みを作ることが長期的な負担軽減につながります。
まず揃えるべき帳簿(初心者向け・最低ライン)
- 現金出納帳(現金の入出金を記録)
- 売上帳(請求書発行・入金管理)
- 経費・支払帳(領収書ベースでどこに使ったか記録)
補助的に:
– 売掛帳・買掛帳(掛取引がある場合)
– 固定資産台帳(10万円以上の設備など)
– 給与台帳(従業員がいる場合)
会計ソフトを使うメリット:自動で仕訳・帳簿が作れる、銀行・クレカと連携して入力を減らせる。
決めておくべきルール(シンプルに)
- 起票頻度:理想は「毎日か毎週」。忙しければ最低でも月1回の帳簿締め。例:毎月5日までに前月分を入力。
- 科目ルール:勘定科目は最小限に(例:交通費/消耗品費/通信費など)。同じ支出は同じ科目にまとめる。
- 証憑の保管:原則7年保管(国税関係の一般目安。例外あり)。紙は整理フォルダ、電子化する場合はスキャン時にファイル名ルールを統一(YYYYMMDD_取引先_金額)。
- 承認フロー:一人事業なら「自分が起票・承認」。複数人なら「担当者→責任者(確認)→支払」までの流れを明記。
例(ファイル名ルール):20250410_ABC商事_15000.pdf
管理体制のつくり方(現実的ステップ)
- 責任者を決める
- 小規模:代表者が責任者
- 少人数:経理担当を明確化
- 締め日とチェック頻度を決める
- 月次締め:月末締め、翌月5日までにチェック
- バックアップとセキュリティ
- 会計データはクラウド保存+定期的にローカル保存
- 領収書もスキャンしてクラウド+原本は一定期間保管
- 外部との連携
- 年1回の税理士チェック、または月次で顧問契約(業務量で判断)
- 内部チェック
- 月次で数字を見て不自然な支出がないか確認(例:同じ科目の急増)
比較:会計ソフト vs Excel(手書き) vs 税理士外注
| 比較項目 | 会計ソフト | Excel/手書き | 税理士外注(全任) |
|—|—:|—|—:|
| 初期コスト | 月1,000〜5,000円 | 低 | 高(数万円〜) |
| 操作の簡単さ | 高(自動仕訳あり) | 低(手作業多い) | 高(任せられる) |
| 自分で把握しやすさ | 高(ダッシュボード) | 中 | 低(外部に依存) |
| 成長対応 | 良い(連携・拡張) | 限界あり | 良い(専門的対応) |
提案:最初は会計ソフト導入→慣れてきたら税理士と月次チェック、という流れがコスト効率良し。
最初の90日でやること(実行プラン)
0日目(準備)
– 会計ソフト選定(無料トライアルを活用)
– 領収書保管フォルダの準備
1〜30日(立ち上げ)
– 過去1か月分を入力してみる(所要時間:3時間程度)
– 月次締め日と担当者を決定
31〜60日(運用開始)
– 毎週の入力ルーチンを作る
– 支払スケジュール(家賃・公共料金・請求回収)を作成
61〜90日(チェック)
– 月次試算表を見て問題点チェック
– 税理士、もしくは知り合いFPに簡易レビューを依頼
簡単なテンプレート例(使えるチェックリスト)
月次チェックリスト:
– [ ] 前月分の領収書をすべてスキャン/保管した
– [ ] すべての入金・出金を会計ソフトに登録した
– [ ] 未払金・未収金を確認した
– [ ] 試算表(PL/BS)を確認した
– [ ] 異常値があれば原因をメモした
まとめ(次のステップ)
- 会計ソフトの無料トライアルを1つ試す(1週間)
- 今月の支払・領収書を全て1箇所に集め、スキャンしてみる
- 月次締め日と責任者をルール化して、チェックリストを実行する
必要なら、あなたの業種・規模に合わせた「最初に作る帳簿テンプレート」や「月次チェックリスト」のサンプルを作成します。希望があれば教えてください。

コメント